はじめての方に
このサイトで扱うテーマは紀州犬、あるいはその周辺の記録です。

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 出会い・別れ・そして出会い

「ブドウ畑に犬がいるよ」その言葉に向いの畑を覗くと、中ほどに白い犬が横たわっていた。1990年5月3日午前のこと。それがユキと私たちの出会いだった。そして2002年4月11日の別れに至るまでの12年間の日々。傍らにユキの居ない日は片時もなかった。四季の移ろいのすべてがユキの姿と重なって思い出される。
ユキはどこにでも居るような雄の紀州系の雑種だったが、ある意味では、私の人生そのものだった。(右の写真は2002年3月16日のユキ⇒)
そのユキが逝って、私は所謂ペットロスなるものと対峙することになった。腑抜けのように無気力な日々。もう二度と同じ体験をしたくはないと思う一方で、その喪失感に押し潰されそうな毎日から、ただ逃げ出したい一心で、また犬を飼うことに「逃げ道」を求めようとした。本当はユキと同じ「迷い犬」を、また飼いたかった。だから、しばらくは捕獲センターや里親探しの情報を追い続けたが、ユキの面影にこだわったこともあって、いずれも縁がなかった。
探し疲れたころ、都内のショップで紀州の仔犬を見つけた。やせていたが成長すればユキとよく似た白犬になるかもしれないと思った。それが小ユキだった。唯一残念なのは、雄でなかったことだが、そんな躊躇いも一瞬のことで、すぐわが家に迎えた。2002年6月1日、ちょうどユキの四十九日が明けた直後だった。
実はそのとき同時に、もう一つの「犬探し」が進行していた。小ユキを迎えることを決めたその日の夜、頼んであった地方の知人から、仔犬の映像が届いた。いずれも白い紀州の仔犬だった。その中に雄のユキ丸が居た。それを見たとき、頭の中で、何かが弾けたような気がした。「二頭でもいい」、、、かくして、この仔犬もわが家にやって来ることとなった。小ユキに遅れること一週間後の2002年6月8日、この日から白い紀州の二頭飼育が始まった。小ユキが月齢4箇月、ユキ丸が月齢3箇月のとき。
ユキを亡くした悲しい春が、ようやく初夏に変わろうとする良く晴れた日だった。

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  •  プロフィール

     ユキについて
    今日に至る原点となった白い紀州犬の雑種♂(1989.xx.xx-2002.04.11)
     小ユキについて
    ユキとよく似た群馬県新田生まれの紀州犬♀ (2002.02.01-)
     ユキ丸について
    ユキとよく似た福井県勝山生まれの紀州犬♂ (2002.03.05-)
     飼い主について
    東京都内某社に勤務するごく普通の会社員♂(19xx.05.07-)
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